【新唐人2013年3月24日付ニュース】中国では最近、抗日を題材にした映画やドラマの撮影がブームになり、2012年だけでも、200部以上の作品が誕生しました。日本兵を演じるエキストラの需要も増え、一日に31回死んだエキストラさえいるそうです。一方、抗日映画の極端なストーリーは中国でも物議を醸しています。
中国の主な映画ロケ地である河北省の横店。ここ1年間、最も多く見られたのが、“鬼のような日本兵”と抗日ヒーローの姿でした。これらの映画やドラマは、ほとんどが歴史的根拠のない、いい加減なストーリーにもかかわらず、次から次へと撮影が進められています。
映画評論家 朱大可氏
「製作者は抗日劇であれば、偏狭な愛国主義者から支持されると思っているので、彼らはこの題材を好みます」
映画評論家の朱さんは、抗日映画を撮るもう一つの原因は当局の審査に通りやすいからだと指摘します。
抗日映画氾濫の最も表面的な現象が、エキストラが一日に何度も死ぬ役を演じていることです。例えばいつも日本兵を演じる史中鵬さんの最高記録は、一日で31回。通常でも一日7~8回は死ぬそうです。
日本兵を演じる役者 史中鵬さん
「日本兵は良くない姿に演じます。観た人が『日本人だから死んで当たり前』と思うように演じます。最後に爆発で死ぬなど、無残な死に方をします」
抗日映画の誇張されたストーリーに対し、観客はどう思っているのでしょうか。
中国のネット上でもっとも話題となったのが、日本人俳優の塚越博隆(つかごし ひろたか)さんが雪の中で村の女性を強姦する演技をしろと監督に言われたシーン。
“寒すぎてありえない”と監督に文句を言ったものの、監督の求める悪辣な日本兵を描くために、仕方なく演技をしたといいます。
こういった現象に対し、ネットユーザーらは反感を示します。
あるネットユーザーは“日本が中国を侵略した事実は変えられないが、しかし我々は歴史を直視すべきであって、改ざんすべきではない”とコメントしています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/02/17/atext848368.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)